Mitsugu IWAMOTO's HOME PAGE
音楽・2016年
今年は運良くウィーンとミラノに行くことが出来ました.ウィーンは芸術週間のはじめの時期,ミラノは秋です.
維納は7年ぶり,4度目にしてはじめてウィーン・フィルを楽友協会で聴くことが出来ました.日本からは立ち見しか手に入らず,キャンセルで平土間2列目を手に入れました.指揮は80歳の誕生日を過ぎたばかりのメータ,演目は「復活」.これまであちこちで沢山聴いたメータの演奏の中で群を抜いて感激,ソリストもオケも反響音無しですべてきこえてきて,夢のようでした.そのまま晩はオペラ座でドゥダメルが聴けたのもタイムリーでしたが,高いボックスしか手に入らず,音はイマイチ(舞台はよく見えた).どちらもキュッヒル氏がコンサートマスターで,その秋に退団されたので,ウィーンフィルで聴ける最後の機会でした.
一方でスカラ座アーノンクール追悼の「ポーギーとベス」,モーツアルト225周年の「フィガロ」.前者の合唱のパワーは嬉しくも予想通りですが,今回の白眉はフィガロの演出かも知れません,実に面白かった.ウェルザーメストの指揮も淡々としていてツボを押さえたもの(これが難しいはず)でしたが,一番の聞きものはキーンリサイドでもダムラウでもなく,ケルビーノのマリアンネ・クレバッサ.素晴らしいの一言に尽きます.
日本ではあまり出かけられない今日この頃ですが,年始は高橋さんが谷中に帰ってきてくれてゴールドベルク.同じ演奏家で同じ曲を何度も聴くという希有な経験をさせて貰っています.毎年演奏者もこちらも変わっていくところが面白いです.サントリーではバレンボイムのブルックナー,特に5番は見事.モーツァルトはやっと聴けました.彼しか出せないこの音にして,この音楽.
変わりどころはカタルーニャ音楽堂.内装がこんなに素敵なホールは滅多にありません.リセウ劇場は次の機会にとっておきたいと思います.
2016年
-
高橋望 ピアノリサイタル
-
ベルリン州立歌劇場管弦楽団:ダニエル・バレンボイム(指揮・ピアノ)@サントリーホール
- モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番,アントン・ブルックナー:交響曲第2番
- モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番,アントン・ブルックナー:交響曲第3番
- アントン・ブルックナー:交響曲第5番
- モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番,アントン・ブルックナー:交響曲第6番
- アントン・ブルックナー:交響曲第8番
- マウリツィオ・ポリーニ ピアノ・リサイタル@サントリーホール
- ショパン:前奏曲Op.45,幻想ポロネーズ,ノクターンOp62-1,2,マズルカOp59-1〜3,スケルツォ第3番,ドビュッシー:前奏曲第2巻,[アンコール]ドビュッシー:沈める寺,ショパン:バラード第1番
- ウィーン芸術週間@ウィーン楽友協会
- グスタフ・マーラー:交響曲第2番「復活」,ズービン・メータ(指揮),チェン・ライス(ソプラノ),エリザベス・クルマン(メゾ・ソプラノ),ウィーン・フィル,ウィーン楽友協会合唱団
- ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第11,20,8,25,21番,ルドルフ・ブッフビンダー(ピアノ)
- ウィーン国立歌劇場
- ジャコモ・プッチーニ:『トゥーランドット』グスターヴォ・ドゥダメル(指揮)他
- モデスト・ムソルグスキー:『ボリス・ゴドゥノフ』,ルネ・パーペ(ボリス)他
- カタルーニャ音楽堂
- ミラノ・スカラ座
- ジョージ・ガーシュイン:『ポーギーとベス』アラン・ギルバート(指揮)フィリップ・アーノンクール(演出:セミ・ステージ形式,新演出),モリス・ロビンソン(ポーギー),クリスティン・ルイス(ベス)他
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:『フィガロの結婚』フランツ・ウェルザー=メスト(指揮),フレデリック・ウェイク=ウォーカー(演出:モーツアルト没後225周年記念新演出),ディアナ・ダムラウ(伯爵夫人),サイモン・キーンリサイド(伯爵),マリアンネ・クレバッサ(ケルビーノ)他
[TOP]